2024年9月、VTuber業界に衝撃が走りました。人気VTuber事務所「にじさんじ」に関わる音楽プロデューサー「YAB」氏による不適切行為が明るみに出たのです。
この事件では、盗撮や媚薬使用の疑いなど、深刻な問題が次々と明らかになりました。配信者界隈の帝王「コレコレ」氏の生放送での告発がきっかけとなり、業界全体に大きな波紋を広げています。
この記事では、YAB氏の不適切行為の詳細や、事件の経緯、そしてにじさんじ運営会社ANYCOLORの対応までを詳しく解説します。
さらに、この事件がVTuber業界全体に投げかけた課題や、今後の展開についても考察していきます。VTuber文化の健全な発展のために、私たちは何を学び、どう行動すべきなのでしょうか。
- YAB氏による盗撮と媚薬使用の疑惑
- コレコレ氏の生放送による事件の告発と業界への影響
- ANYCOLORの対応と法的措置の検討
- VTuber業界の信頼回復と再発防止への課題
コレコレ砲で明らかになったYABによる不適切行為
2024年9月1日、配信者界隈の帝王「コレコレ」氏の生放送で衝撃の告発がありました。
人気VTuber事務所「にじさんじ」に関わる音楽プロデューサー「YAB」氏が、所属ライバーの中の人に対し、盗撮や媚薬使用など悪質な行為を行っていたというのです。
YABとは – 人気音楽プロデューサーの経歴
YAB氏は、「YAB EntertainMent」の代表を務める音楽プロデューサーです。
その経歴は以下の通りです。
- 主な活動: AKB48、乃木坂46などのアイドルグループ、キングオブコントなどの音楽制作に携わる
- 実績: 2000万回再生超えの楽曲制作実績あり
- ブランドアンバサダー: 音響機器ブランド「Neumann」のアンバサダーを務める
- イベント企画運営: 「VtuBand Fest」などの音楽イベントの企画・運営に携わる
YAB氏は、VTuber業界でも高い評価を受けており、30名以上のにじさんじ所属ライバーの楽曲制作に関与していました。
しかし、その影響力の大きさが今回の事件の深刻さを増幅させる結果となっています。
にじさんじ女性ライバーへの盗撮疑惑の詳細
コレコレ氏の生放送では、YAB氏がにじさんじ女性ライバーの中の人を盗撮し、その写真を第三者に送信していたことが明らかになりました。
- 盗撮写真の内容: レコーディング中のライバーの様子や、プライベートな場面での写真が含まれる
- 写真の送信先: YAB氏は盗撮した写真を他のクリエイターなどに送信していた
- 不適切なコメント: 写真には「顔は60点だけど体は100点」などのセクハラ発言が添えられていた
これらの行為は明らかにライバーのプライバシーを侵害するものであり、到底許されるものではありません。
被害に遭ったライバーは、この事実を知らされておらず、二次被害が懸念される状況です。
レコーディング映像の無断公開問題
YAB氏は、レコーディング中のライバーの様子を「にじさんじリアタイ収録」と称して生放送で垂れ流していたことも発覚しました。
これは明らかな規約違反であり、ライバーのプライバシーを侵害する悪質な行為です。
- 生放送の内容: レコーディング中のマイクの音を無断で垂れ流していた
- 公開先: YAB氏と関係のあるクリエイターのグループに公開されていた
ライバーは自身の肖像権や音声の使用権を適切に管理する権利があります。
YAB氏の行為はそれらの権利を明らかに侵害するものであり、断じて許されるものではありません。
「紅蜘蛛」媚薬使用の疑いと健康被害の可能性
さらに、YAB氏が「紅蜘蛛」と呼ばれる違法な媚薬をライバーに飲ませようとしていたことを疑わせるやり取りも明らかになりました。
- 「紅蜘蛛」とは: 厚生労働省からも健康被害が報告されている違法な媚薬
- 使用を疑わせるやり取り: ホットミルクを作る際に「紅蜘蛛」を入れようとしていた
- 健康被害の可能性: にじさんじライバー「家長むぎ」氏がYAB氏のスタジオでレコーディング後、原因不明の吐き気に襲われたと告白
違法薬物の使用は重大な犯罪行為です。
仮に使用していなくとも、そのような行為を示唆することは、ライバーの安全を脅かし、不安を与える許されざる行為と言えるでしょう。
内部告発の経緯と業界への警鐘
今回の告発は、YAB氏の元従業員からコレコレ氏に情報がリークされたことで実現しました。
告発者の意図は、VTuber業界全体への警鐘を鳴らすことにあったようです。
告発者の意図 – VTuber業界全体の課題として
告発者がコレコレ氏に情報をリークした理由は以下の通りです。
- 業界全体への注意喚起: YAB氏の行為はVTuber業界全体の問題であり、他の事務所でも起こり得る
- 警察による捜査の難しさ: 盗撮行為は犯罪だが、被害届の提出や捜査が難しい現状がある
- 運営への直接の告発が困難: YAB氏は複数の事務所に関与しており、個人で全ての運営に伝えるのは不可能
告発者は、YAB氏個人の問題ではなく、業界全体の構造的な問題として捉えており、その解決のためには、問題を広く知ってもらう必要があると判断したようです。
コレコレによる暴露配信の反響
コレコレ氏の配信は大きな反響を呼び、VTuber業界に衝撃が走りました。
視聴者からは、YAB氏への怒りの声や、被害者への心配の声が上がる一方で、業界全体の体質を問題視する意見も多く見られました。
- YAB氏への批判: 「逮捕されるレベル」「許せない」など厳しい意見が多数
- 被害者への心配: 「ライバーが心配」「メンタルケアが必要」といった声が上がる
- 業界の体質への疑問: 「にじさんじだけの問題ではない」「業界全体の問題」と指摘する意見も
この事件は、VTuber業界の急速な成長に伴って顕在化してきた様々な問題を浮き彫りにしました。
今後、業界全体でのガバナンス強化と、クリエイターとの健全な関係構築が求められるでしょう。
ANYCOLORの対応と今後の展開
にじさんじの運営会社であるANYCOLOR株式会社は、コレコレ氏の配信直後に公式声明を発表し、事態の収拾に乗り出しました。
公式声明の内容と法的措置の検討
ANYCOLOR社の公式声明の主な内容は以下の通りです。
- 事実関係の調査: 8月30日から調査を開始し、一部の事実を確認済み
- YAB氏との契約解除: 現在の契約を解除し、法的対応を検討中
- 被害者へのケア: 被害を受けたライバーへの十分なケアを実施する
- 二次被害防止の呼びかけ: 本件に関する情報拡散や、ライバーへの不適切なコメントを控えるよう要請
ANYCOLOR社の対応は迅速かつ厳正であり、被害者保護と再発防止に注力する姿勢が見て取れます。
特に、法的措置を検討していることからも、事態の深刻さが伺えます。
YAB関連コンテンツの非公開化と削除
ANYCOLOR社は、YAB氏が関与した「歌ってみた」動画などのコンテンツを一時的に非公開とし、関連するSNS投稿も削除しました。
これは、被害者特定を防ぐための措置であり、二次被害防止に配慮したものと言えます。
- 非公開化の理由: 被害者を特定する手がかりとなり得るため
- 削除投稿の扱い: 削除済み投稿の一覧をSNSで公開することも控えるよう要請
ライバーの安全確保とクリエイター選定基準の見直し
ANYCOLOR社は、今回の事件を重く受け止め、再発防止に向けた取り組みを進めています。
特に、ライバーの安全確保とクリエイター選定基準の見直しに注力しているようです。
- ライバーの安全確保: ライバーが安心して活動できる環境整備に尽力する
- クリエイター選定基準の見直し: 発注先クリエイターの選定基準と発注継続基準を見直す
今回の事件は、VTuber業界の急成長に伴う弊害の一つとも言えます。
今後は、量的な拡大だけでなく、質的な向上、特にライバーの安全と権利の保護に重点を置いた運営が求められるでしょう。
YABの謝罪と炎上の拡大
事件発覚後、YAB氏はTwitter上で謝罪文を投稿しました。
しかし、その内容があまりにも不誠実で、自分の行為の重大性を理解していないと受け取られ、炎上に拍車がかかる結果となりました。
不十分な謝罪内容への批判
YAB氏の謝罪文は、以下のような点で不十分だと指摘されています。
- 自分の行為の重大性の認識不足: 犯罪行為に及ぶ可能性のある行為を「悪ノリ」と表現するなど、反省の度合いが疑問視された
- 被害者への配慮の欠如: 被害を受けたライバーへの直接の謝罪や、具体的な補償の申し出がない
- 再発防止策の不在: 同様の行為を繰り返さないための具体的な取り組みが示されていない
この不誠実な対応が、更なる炎上を招く結果となりました。
YAB氏には、自分の行為がいかに重大な人権侵害であり、許されざるものであるかを真摯に受け止める姿勢が求められます。
VTuber業界における信頼回復への課題
今回の事件は、VTuber業界全体の信頼を大きく揺るがすものとなりました。
業界の健全な発展のためには、以下のような課題に真剣に取り組む必要があるでしょう。
- ライバーの人権の尊重: ライバーの肖像権やプライバシー権などの基本的人権を守る仕組みづくり
- 透明性の高い運営: 問題が発生した際の迅速な情報公開と、再発防止策の明示
- クリエイターとの健全な関係構築: 対等な立場でのコミュニケーションと、相互の尊重に基づく協働
VTuber業界は、エンターテインメントの新しい形として大きな可能性を秘めています。
しかし、その実現のためには、関係者全員が高い倫理観を持ち、健全な環境づくりに努める必要があるでしょう。
今回の事件を教訓に、業界全体で真摯な議論と前向きな取り組みが進むことを期待したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ:YAB事件が明かすVTuber業界の課題について
- YAB氏がにじさんじ女性ライバーを盗撮し第三者に送信
- レコーディング中のライバーの様子を無断で生放送
- 違法な媚薬「紅蜘蛛」使用の疑いが浮上
- コレコレ氏の生放送で事件が告発され業界に衝撃
- 元従業員がVTuber業界全体への警鐘として情報をリーク
- ANYCOLOR社がYAB氏との契約解除と法的対応を検討
- 被害者への十分なケアと二次被害防止を呼びかけ
- YAB関連コンテンツの非公開化と削除を実施
- ライバーの安全確保とクリエイター選定基準の見直しに着手
- YAB氏の不十分な謝罪内容に批判が集中
- VTuber業界全体の信頼回復が急務に
- ライバーの人権尊重と透明性の高い運営が求められる
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